【キャリアアップ助成金】正社員化コース・賃金規定等の改定コースにおける変更点について

キャリアアップ助成金とは?
「キャリアアップ助成金」は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを後押しするために、正社員への転換や待遇改善に取り組んだ事業主にに助成金が支給される制度です。
2025年4月から、「正社員化コース」と「賃金規定等の改定コース」において、一部制度の見直しが行われました。
今回は、それぞれのコースにおける主な変更点や、各コース共通の変更点についてご紹介します。
正社員化コースの変更点
有期雇用労働者等を正規雇用労働者へ転換等をした場合に、一定の要件を満たせば助成の対象となります。
支給対象者の範囲・助成額の変更点
変更前
支給額 | ・有期→正規:80万円(60万円) ・無期→正規:40万円(30万円) |
※( )は大企業への助成額
●加算措置/加算額
・派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者として直接雇用した場合:28.5万円
・母子家庭の母等又は父子家庭の父:9.5万円 ※有期→正規の場合
・人材開発支援助成金の特定の訓練修了後に正社員転換:9.5万円(一部11万円) ※有期→正規の場合 等
変更後
支給額:重点支援対象者 | ・有期→正規:80万円(60万円) ・無期→正規:40万円(30万円) |
支給額:重点支援対象者以外 | ・有期→正規:40万円(30万円) ・無期→正規:20万円(15万円) |
※( )は大企業への助成額
◇「重点支援対象者」とは?
a:雇入れから3年以上の有期雇用労働者
b:雇入れから3年未満で、次の①②いずれにも該当する有期雇用労働者
① 過去5年間に正規雇用労働者であった期間が1年以下
② 過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない
c:派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者
※雇用された期間が通算5年を超える有期雇用労働者については、無期雇用労働者とみなします。
●加算措置/加算額
・正社員転換制度を新たに規定し、当該雇用区分に転換等した場合:20万円(15万円)
・多様な正社員制度を新たに規定し、当該雇用区分に転換等した場合:40万円(30万円)
◇「多様な正社員制度」とは?
「多様な正社員制度」とは、勤務地限定・職務限定・短時間正社員、いずれか 1 つ以上の制度のことです。
賃金規定等改定コースの変更点
有期雇用労働者などに適用される基本給の賃金規定等を、3%以上引き上げて実際に適用した場合に、一定の条件を満たせば助成の対象となります。
支給区分の新設と助成額の変更点
変更前
3%以上 5%未満 | 5% 以上 |
5万円 (3.3 万円 ) | 6.5万円 (4.3 万円 ) |
※( )は大企業への助成額
変更後(支給区分が2 区分から4 区分へと変更)
3%以上4%未満 | 4%以上5%未満 | 5%以上6%未満 | 6%以上 |
4万円 (2.6万円) | 5万円 (3.3万円) | 6.5万円 (4.3万円) | 7万円 (4.6万円) |
※( )は大企業への助成額
加算措置/加算額(1 事業所当たり1 回のみ)
職務評価の手法の活用により賃金規定等を増額改定した場合:20万円(15万円) |
★ 新設 ★ 有期雇用労働者等に適用される昇給制度を新たに規定した場合:20万円(15万円) |
※( )は大企業への助成額
各コース共通の変更点
キャリアアップ計画書の取り扱いを簡素化
キャリアアップ計画書については、各コースの取り組み実施日の前日までに管轄の労働局長に提出して認定を受ける必要がありましたが、届出のみに簡素化されました。
◇「キャリアアップ計画書」とは?
有期雇用労働者のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるため、今後の大まかな取り組みイメージ(対象者、目標、期間、目標達成のために実施する取り組み)をあらかじめ記載するものです。
キャリアアップ助成金申請までの流れ
正社員化コース
- キャリアアップ計画の作成・提出
- 就業規則等の改定(転換規定がない場合等)
- 就業規則等に基づく正社員転換
- 正社員転換後 6 か月分の賃金の支払い(転換前6か月と比較して3%以上賃金増額が必要)
- 支給申請
賃金規定等改定コース
- キャリアアップ計画の作成・提出
- 取組の実施(就業規則の改定等)
- 取組後6か月分の賃金の支払い
- 支給申請
お問い合わせ
キャリアアップ助成金 正社員化コース・賃金規定等改定コースにおける変更点の詳細については、以下よりご確認ください。
▼厚生労働省 H P(キャリアアップ助成金)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html